各種食材に関して、今年度ミョウガ、ショウガ、カボチャ、ゴーヤ水抽出試料を中心にラット腸管粘膜より調製した粗酵素(α-グルコシダーゼ)によりその活性阻害について測定した。これら試料では、冷蔵保存(4℃、1ヶ月前後)で活性の低下がみられ、精製が進むうちに失活を認めた。一方、ゴーヤ水抽出試料では冷蔵保存でもかなりの酵素阻害活性が保持されていた。このことを反映して、加熱・非加熱による抽出条件、セファデックスG-25のカラムクロマトの結果より、加熱に伴い生じる阻害活性画分もあり、現在までに得られているの活性・非活性画分と加熱条件の有無について検討を行っている。同じくカボチャ試料のカラムクロマトでは水抽出物より加温抽出で阻害活性画分が増加し、再加熱試料で阻害活性の減少が認められていたが、今回の抽出調製においては阻害活性が十分に認められず、試料差異の影響と考えられた。 また、ニンニク試料について検討を行った結果、対象試料の内因性酵素活性の影響を受け、緑化を伴う酵素活性反応が生じる試料と、変色が見られない試料との間で糖質分解酵素阻害活性に差が認められた。現在の条件では、一方の試料のみが特に阻害活性が強いとったことはなく、阻害活性物質の変化に由来するのか、生成物による阻害活性への影響であるかは不明瞭であった。この試料についてもセファデックスG-25のカラムクロマトを実施し各画分について検討中である。 これまでの糖質分解酵素活性阻害のスクリーニングでは、試料の購入時期の影響も認められた。
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