前年度に得られたタマネギ、ゴーヤの実、ゴーヤのわたの水抽出画分の糖質分解酵素(α-グルコシダーゼ:ラット腸管粘膜由来)に対する阻害活性物質について、セファデックスG-25、presep-CC18(ODS)による分画で精製を行った。ゴーヤの実、わたの試料ではODSに非吸着画分に強い阻害活性が認められた。この画分をToyopealHW-40Sのゲルクロマトグラフィーで阻害活性を検索した結果、低分子領域に阻害活性が検出された。リクロマトを繰り返しマルターゼ阻害活性、スクラーゼ阻害活性について検討した結果、両者は同一の画分に存在した。この阻害様式は、Lineweaver-Burkプロットによる解析から不拮抗阻害であることが示唆された。現在までのところ得られた精製試料はシロップ状で、阻害活性は熱に安定であることを認めている。そのため糖類関連物質として、さらにその構造決定を行う予定である。タマネギより調製した水抽出試料ではODSカラムによる精製で30%アセトニトリル溶出画分に強い阻害活性が認められた。さらにToyopealHW-40Sによるゲルクロマトグラフィーでの精製で、大きく2画分に阻害活性を有していた。これら2者の試料の加熱条件による阻害活性の増減は、一定した結果でなく、処理試料の生育条件などの影響も考慮した検討を行っている。今後、調理条件による阻害活性の消長変動についても検討し効率的調理条件のモデルを明らかにする。
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