健常閉経後女性ボランティアで、二重盲検法によるプラセボコントロール試験を行い、粉末緑茶の摂取と運動療法による閉経後骨粗鬆症予防が可能であるかどうかを明ちかにすることを目的とし、運動と緑茶の摂取が骨量減少の緩和に有効であるかを検討した。 週に1回、健康教室に通っている60代~80代の女性11名を対象とした。口頭及び文書による充分な説明を行い、サプリメントの摂取、体組成及び骨量の測定の希望ならびに、調査協力の意志が得られたものを対象とした。サプリメントはカテキンとビタミンDを含むものをアクティブとし、ビタミンDのみのものをプラセボとして使用した。 超音波骨内伝播速度(SOS)の28日後、56日後、84日後のプラセボとアクティブのt検定を行ったが、いずれも危険率5%で有意差はなかったが、アクティブ群にSOSの増加傾向がみられ、56日後では、危険率5%で有意差が認められた。今回の対象者は身体活動量があり、食事も充足率からみて充分に摂取しており、骨年代も実年齢よりも若かったことが原因と考えられる。また、骨量が年齢の割には充分にある集団であったため、その変化が少なく有意差がみられない原因となったと考えられる。また、食事調査の結果よりカルシウム及びビタミンDの充足率は充分であったため、骨量も高かったと考えられる。今回の調査期間は、3ヶ月間であったが、SOSの推移をみるには長期間の継続調査が必要と思われる。
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