【目的】エキストラバージンオリーブ油中のオレウロペインの蛋白代謝への影響について、SD系4週齢の雌ラットを用いてin vivoで実験を行うことにより調べた。 【方法】摂取蛋白レベルの異なる40%、25%あるいは10%カゼイン食のコントロール食に対し、エキストラバージンオリーブ油中に含まれるオレウロペインを0.1%添加したオレウロペイン食をペアーフィーディングで28日間投与した。そのときの体蛋白異化ホルモンである血漿中コルチコステロン濃度、カテコラミン(ステロイドホルモン分泌を刺激する)分泌量、窒素出納及び肝臓アルギナーゼ活性を測定した。 【結果】摂取蛋白レベルの異なるラットにおけるオレウロペイン投与による体重、肝臓重量および精巣周囲脂肪重量・腎周囲脂肪重量への影響は認められなかった。体蛋白異化ホルモンである血漿中コルチコステロン濃度において、40%カゼイン食摂取ラットにおいてオレウロペイン投与により有意差は認められなかったが低下する傾向を示したが、25%カゼイン食及び10%カゼイン食摂取ラットのオレウロペイン投与による差はほとんど認められなかった。カテコラミン分泌量、窒素出納及び、肝臓アルギナーゼ活性においては、40%カゼイン食摂取ラットにおいてオレウロペウン投与により有意差はなかったが上昇する傾向を示し、一方25%カゼイン食及び10%カゼイン食摂取ラットのオレウロペイン投与による差はほとんど認められなかった。以上の結果より、摂取蛋白レベルの異なる雌ラットにおいて、雌ラットではバラツキが大きく有意差は認められなかったが高蛋白摂取ラットにおけるオレウロペインの投与は、蛋白代謝を促進させる傾向のあることが示唆された。この結果は、平成19年度おいて雄ラットで同様の実験を行なった結果とほぼ同じ傾向を示した。
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