黒糖焼酎蒸留残液を上清液(もろみ酢)と残渣(粕)とに分離しその生理活性について、メタボリックシンドロームの指標となる脂質代謝、糖質代謝及び血圧に対する影響を検討し、以下のような結果を得た。 1)脂質代謝(特に、コレステロール)について、高コレステロール食にもろみ酢及び粕を添加し飼料を用いて実施した。血清及び肝臓のコレステロールとトリアシルグリセロールの上昇が抑制させ、この機構は、糞中へのコレステロールと胆汁酸の排泄促進による。 2)糖質代謝への生理効果を検証するために、自然発症非肥満II型糖尿病モデルラットを用い血糖値への影響を検討した。2ケ月間の飼育で糖尿病ラットは106mg/dLの血糖値の上昇に対して、もろみ酢の場合は、56mg/Lの上昇となり血糖の上昇が抑制された。 3)血圧に対する影響については、自然発症高血圧モデルラットを用いて実施した。2ケ月間もろみ酢を投与した場合の血圧の上昇は、94mmHgに対して高血圧ラットでの上昇は105mmHgとなり血圧の上昇が抑制された。 4)ヒトに対する効果を検証するために、毎日、もろみ酢を50mL飲水させ、飲水前と飲水後の血液成分の測定を行い。動物実験で得られた結果と同様にコレステロール、中性脂肪濃度の改善が認められた。
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