日常的な発芽玄米の長期摂取が健康に及ぼす影響について検証するため、本年度は(1)資料収集と整理(継続)、(2)調査対象者への協力依頼(追加調査分)、(3)アンケート調査(継続・追加分初年度)の実施と電話補足調査、基本健診データの収集を柱として行った。以下に、今年度の調査状況を記す。 市町村合併により本調査対象年代の住民一斉健診が行われなくなった影響で、18年度には予定していた解析可能な長期摂取している調査対象数が得られなかった。検出力の高い層別解析を行うには対象数が不足するため、松本市梓川支所および梓地区内の各種活動グループに協力を依頼し、追加のアンケート調査を行った。その際、松本市と協議し、基本健診結果については、調査対象に書面でのインフォームドコンセントを得ることを条件に、梓川支所管理の基本健診結果を記録紙(平成14年〜16年度)およびパソコン専用端末(平成17年〜19年度)からデータを入手する許可を得た。 基本健診結果については、調査期間中に項目や方法に一部変更があり、解析項目を再検討した。また、アンケート調査結果では、長期摂取者の摂取期間や摂取量の個人差をどうまとめるかなど、層別化のための検討を行った。解析結果としては、長期摂取による「便通の改善」、「血圧の安定」、「血清コレステロール値の低下」などの影響が自覚されており、基本健診結果でも同様の傾向が認められた。 発芽玄米の食べ方については、短期大学生を対象とした官能検査や各種資料、農村女性団体への取材調査結果を利用して、炊飯方法や料理への応用について検討した。
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