本年度には、昨年・一昨年の調査に引き続き長期摂取者を対象とする調査のデータ収集と整理、発芽玄米の食べ方に関する地域の取り組みについての調査、学校給食での発芽玄米の利用に関する調査を柱として行った。以下に今年度の主な成果を記す。 1、長期摂取者に対するアンケートの結果(N=72、平均年齢67.4歳)、発芽玄米の摂取期間は5年以上が80.6%を占め、摂取頻度は「ほとんど毎日食べる」者が80.6%を占めた。摂取による体調(健康状態)の変化は、「よい変化があった」の回答が54.2%、その内容は「便通がよくなった」が89.7% (N=39)で、よい変化を感じたほとんどから回答された。 2、地場産物も取り入れた加工・調理法について資料収集及び調理特性の検討を行った。農村女性の加工組合「さくら」では、地元でとれた野菜・果物と発芽玄米を用いゼリー菓子に加工し「第18回信州の味コンクール」で最優秀賞を受賞した。 3、平成14年度に完全米飯給食に取り組み、地場産の発芽玄米入り米飯給食(発芽玄米1割:白米9割)を学校給食に取り入れている上田市真田中学校の校長、栄養教諭、生徒、卒業生を対象に聞き取り調査および資料の収集を行った。その結果、上田市内中学校10校の平均に比べ、同中学校の二年生では、「排便が毎日ある」割合が13%も高く、「給食が楽しみである」割合も22%も高いなど、健康への好影響が示された。現在、真田中学校の全校生徒に対しアンケート調査を行い、発芽玄米に対する嗜好や健康に及ぼす影響の有無について情報収集を行う準備を進めている。
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