本年度には、長期摂取者を対象とする調査データの分析、発芽玄米の食べ方に関する地域の取り組みについての調査、学校給食での発芽玄米の利用に関する調査を柱として行った。以下に今年度の主な成果を記す。 (1)長期摂取者を対象とする発芽玄米の摂取状況と食生活・健康に関する調査において、基本健康診査の結果が得られた回答者数は53人(男性12名、女性41名)、平均年齢69.5±6.3歳であった。発芽玄米の摂取期間は5年以上が33人で62.3%を占め、摂取頻度は「ほとんど毎日食べる」者が40人で75.5%を占めた。発芽玄米入りのご飯としては、白米4:発芽玄米1または白米3:発芽玄米1で摂取している対象が7割近くを占め、基本健康診査の結果では、最低血圧の減少傾向、総コレステロールの減少傾向が認められた。 (2)発芽玄米入り米飯給食に取り組んでいる長野県内2つの中学校(公立A校、私立B校)の学校栄養士または栄養教諭を対象とする聞き取り調査と、全校生徒を対象とするアンケート調査を行った。その結果、発芽玄米入りの米飯給食がA中学では週4~5回、B中学では週4回出されており、混入割合は、A中学が10%、B中学が10.5%で、いずれも一人分使用量は発芽玄米10gであった。アンケート調査の結果、回答数は、欠席者を除くA校329人(調査時在籍者数:354人)、私立B校332人(調査時在籍者数:341人)であり、発芽玄米入りご飯に対する嗜好は「好き」が39.5%、「好きでもきらいでもない」が52.2%、「きらい」が8.3%であった。給食の発芽亥米入りご飯を食べるようになってから、体調が変わったと思うことがあるかという問いに「よい変化を感じた」と回答した生徒はわずか36人(5.4%)だった。
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