研究概要 |
研究課題「小学校・中学校理科におけるマイクロスケール実験教材の開発」に関する本年度の研究実績は,以下の通りである. 1.国内外の学会等におけるマイクロスケール実験に関する情報を収集した.日本理科教育学会全国大会(奈良)や化学教育国際会議(ソウル,韓国)に参加して,マイクロスケール実験に関する最新の情報を入手し,研究の動向の把握に努めた. 2.小学校第5学年理科「物の溶けかた」に関するマイクロスケール実験に関して,研究を進展させた.その結果,通常実験と比較して,試薬の量は1/5,実験時間は1/4に短縮できることを明らかにした.さらに,この内容を,群馬県下の第5学年児童を対象として授業実践を行い,有効性を明らかにした.研究成果は,「理科教室」,「理科の教育」や「群馬大学教科教育学研究」に発表した. 3.小学校第6学年理科「水溶液の性質」に関するマイクロスケール実験に関して,研究を進展させた.その結果,通常実験と比較して,試薬の量は1/5,実験時間は1/4に短縮できることを明らかにした.さらに,この内容を,群馬県下の第6学年児童を対象として授業実践を行い,有効性を明らかにした. 4.群馬県下の小学校や中学校教員に,マイクロスケール実験を紹介した.マイクロスケール実験に関して既知の教員は僅少であった.しかし,ほとんどの教員が,マイクロスケール実験の長所を認め,将来,授業でマイクロスケール実験を取り入れたいという意向を示した. 以上のように,平成18年度に関しては,主として,小学校理科におけるマイクロスケール実験の研究(教材開発並びに授業実践)に従事してきた.平成19年度には,主として中学校理科におけるマイクロスケール実験に関する研究に取り組む予定である.
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