研究概要 |
理科離れを少しでも未然に防ぐため,理科(化学)の実験や学習を支援するため,化学研究室のホームページ(3ヶ所)を下記の様に充実させた.水溶液の濃度計算と調製方法について,前年度までに食塩水,塩酸,酢酸,硝酸,硫酸,アンモニア水,水酸化ナトリウム水溶液の日本語版を作成済みである.本年度はこれらの英語版を作成し,自動サービスを開始した(ダウンロード可能).本年度はさらに,二酸化炭素と石灰水(気体発生量・沈殿生成量等の計算,化学的性質の説明),固体無水物の溶解度(ショ糖,ホウ酸,硝酸ナトリウム等の9種類,溶解度曲線,温度変化による溶解・析出量の計算,注意事項)の2つを試作した.化学実験のシミュレーションについて,本年度は酸・塩基滴定(2価,1価)を試作した.酸は硫酸,シュウ酸,塩酸,酢酸から,塩基は水酸化バリウム水溶液,石灰水,水酸化ナトリウム水溶液,アンモニア水から選択できる.滴下液と非滴定液の入れ替えが可能で32種類の実験をシミュレーションできる.指示薬(7種類)・濃度・体積・目盛の変更,滴定の一時停止・再開や滴定曲線の記憶(6本)等ができる.質問箱の年間の閲覧総数は約45,000件である.平成18年度は質問の受付をほとんど制限せず,116件の質問に回答した.必要に応じて日常生活に例えて,平易な言葉を用いてできる限り速やかに質問者にe-mailで回答し,ホームページにも公開した.質問内容から考えて,質問者の多くは高校生と大学生である(合わせて約7割).教員や指導主事等からの質問も増加傾向にあるが,まだまだ少ない.そこで,本年度の成果(質問箱の回答集と溶液の作り方等)を約400冊印刷・製本した.指導主事,卒業生(小学校〜高校教員等),大学説明会の参加者等に配布する.また,教育学部の多数の学生(教員の卵)にホームページを紹介し,教育実習や学校の授業における活用を勧めた.
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