研究概要 |
平成19年度は,(1)イギリスのEPPIが行ったシステマティックレビューを参考に,今一度国内外の中等科学教育でのコミュニケーション活動をレビューして,その意義、価値を明確にすることが目標であった。1991年から2005年までに日本国内外の代表的な理科教育誌5誌(Journal of Research in Science Teaching;Research in Science Education;Science Education;理科教育学研究;科学教育研究)に掲載された論文を分析して,中等学校理科教育における構成されたグループコミュニケーション活動の意義、価値、課題について明らかにした(雑誌論文参照)。 そして,(2)中学校での長期間にわたるコミュニケーション活動をカリキュラムに位置づけた授業の分析も目標であった。残念ながら個人情報保護の観点から生徒個人の詳細なプロファイリング作成は見送らなければならなかったが,コミュニケーション活動を中心とした8件の実践事例(小学校4件、中学校4件)の詳細と評価について,大日本図書より〔深い理解をめざした理科授業づくりと評価」を出版し,その成果を広く公開することができた(図書参照)。 また,小学校教員の研究協力者を得て,小学校5、6年にわたって実施したコミュニケーション活動の効果を検証中で(雑誌論文参照>,中学校にどのようにつなげていくべきなのかについて,検討を重ねている。
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