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2006 年度 実績報告書

割合的アイデアと比例的推論を基礎とした小学校高学年における算数カリキュラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18500657
研究種目

基盤研究(C)

研究機関上越教育大学

研究代表者

布川 和彦  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (60242468)

キーワード乗法的構造 / 比例的推論 / 表象 / インフォーマルな知識 / 意識化
研究概要

割合的アイテアと比例的推論についてのこれまでの知見を検討した結果として、二重数直線あるいはこれのバリエーションと思われる表象が用いられているものの、一方において乗法的構造に関わる諸単元の間での統一的な見方を可能にする枠組みがカリキュラム構成の背後にあるのかが不明であり、他方において、子どもたちが算数で割合的なアイデアを学習する前にインフォーマルな形で持っている割合的な知識と算数で扱うフォーマルな理解との接続がはかられているのかについても曖昧であると考えられた。特に、この二つの結果の双方に関わる部分として、割合的なアイデアや比例的推論に関わる学習を支える算数的な表象が、子どもたちのインフォーマルな理解を引き出し、またフォーマルな知識の学習においても拠り所となるように、学習活動の系列を構成することがカリキュラム上重要であることが見出された。
こうした算数的な表象を媒介にした割合的アイデアや比例的推論の展開という視点をもちながら、学習過程についてのデータの分析も実施した。問題解決の文脈におけるデータからは、学習者が図に働きかけることで生ずる創発的パタンが新たな情報をもたらすこと、またそうした働きかけと理解の深まりとの相互作用が重要であることが示された。また小学校4年生において実施した比例的推論の育成を目的とした教授実験におけるデータの分析では、4名の抽出児の学習過程に焦点を当てて分析を行ったところ、インフォーマルな理解をベースにした図への働きかけを継続して行った児童では比例的推論の自覚的あるいは意識的な利用が生じやすいことが示された。これらの成果をもとにすると、算数的な表象という側面に注意をむけながら、割合的アイデアや比例的推論に関わる理解をインフォーマルなものから発達させていくような活動系列の開発が次年度以降の課題になると設定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 小学校3年生による比例的推論の課題の解決 : 下位単位の利用に焦点を当てて2007

    • 著者名/発表者名
      布川和彦
    • 雑誌名

      上越数学教育研究 22

      ページ: 1-10

  • [雑誌論文] Using drawings and generating information in mathematical problem solving2006

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiko Nunokawa
    • 雑誌名

      Eurasia Journal of Mathematics, Science and Technology Education 2(3)

      ページ: 33-54

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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