研究課題/領域番号 |
18500661
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 太一郎 三重大学, 教育学部, 教授 (90183813)
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研究分担者 |
宗宮 弘明 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50147972)
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 准教授 (80218544)
吉本 敏子 三重大学, 教育学部, 教授 (60191053)
萩原 彰 三重大学, 教育学部, 准教授 (70378280)
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キーワード | 解剖学習 / 生命尊重 / 調理実習 / 魚介類 / 理科教育 / 食育 / 野外活動施設 |
研究概要 |
生命科学に関する初等教育において、生き物を解剖するという学習経験は、動物の体のつくりを理解するためだけでなく、生命を尊重する態度を育成する上でも重要な意味をもつ。本研究では、初等中等教育における動物の解剖実習を推進するために、食材となる身近な魚介類を用いた調理実習を目的とした家庭科の授業と、動物の体のつくりに関する理科の授業を連携させた「解剖&調理実習」の授業プログラムを提案することを目的としている。昨年度、中学2年生を対象とし実践から、ニジマスを用いた授業が最も評判が高かった。本年度はさらにこのことを確かめるとともに、中学校教員に授業実践をしてもらった。生徒の反応のよさから、この授業の教育的意義を教師らは実感したようで、実施校では生命尊重にもつながる特色ある授業として位置づけることになった。また、この実習を実施する上で適当な学齢期を検討するために小学6年生を対象に実施したところ、中学生よりも反応はよかった。小学校の段階で実施する意義は大きいため、小学校教諭を対象とした教員研修会等でも実施した。これらの実践を踏まえて、「解剖&調理実習」の具体案を提示することができた。本研究から、「解剖&調理実習」で扱う材料としてはニジマスが適当であることが示されたが、学校で生きたニジマスを扱うためにはかなりの準備も必要となる。そこで、以下のような案を考えて実践した。一つは、ニジマスのつかみ取りなど体験活動を行っている野外活動施設を利用して「解剖&調理実習」の実施すること、2つ目は、生体に近い状態で食材としても用いることが可能な長期保存法の開発、3つ目は飼育の容易な魚類を使うことである。これらの結果から、学校だけでなく野外活動施設や、入手可能な魚種など地域に応じた形で「解剖&調理実習」を実施することの必要性が示された。
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