研究課題/領域番号 |
18500663
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
松良 俊明 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20111990)
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研究分担者 |
坂東 忠司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70218676)
梶原 裕二 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10281114)
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キーワード | バンゴムシ / 理科教材 / 土壌動物 / 物質循環 |
研究概要 |
生態系におけるダンゴムシの役割を認識できる実験を開発するため、ダンゴムシの存在が植物の生育に役立っていることを示す実験を計画し実際に行った。ケヤキの枯葉を入れた容器(底には石英砂を敷いた)にダンゴムシを容器あたり一定数入れ、十分摂食させた。その後ダンゴムシを取り除くと、石英砂上にはダンゴムシが排出した大量の糞と、食べ残した枯葉の断片が残る。ダンゴムシの糞と食べ残しが存在する容器を「ダンゴムシ区」とし、ケヤキの枯葉と石英砂だけの容器を「枯葉区」、また石英砂だけの容器の容器を「対照区」として、いずれの容器にも水とウキクサの葉状体を1枚投入した。各区あたり容器を5個用意し、窓際に置いてウキクサの成長量を7週間観察した。7週間後3者の間には明確な違いが現れた。すなわち、平均葉状体数は「ダンゴムシ区」では186.8枚であったのに対し、「枯葉区」では6.4枚、「対照区」では9.2枚とウキクサの成長量に大差が得られた。このことは、ダンゴムシが地上に落下した枯葉を食べ、大量の糞を排出することや細かく砕かれた枯葉が植物の栄養となり、再び根から救急されることを示唆するものである。この実験法は方法が簡易なこと、材料の確保がたやすいこと、結果が明確に得られることなどの利点があり、中学生でも十分できる実験だと思われる。 さらに、3年間行ってきたダンゴムシに関する実験開発や飼育・観察をふまえ、「ダンゴムシの実験と観察」と題したホームページを作成し、公開した。
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