研究概要 |
18年度においてWindowsでの分子の立体表示や分子の動きを視覚的に捉え,理解できる表示システムソフトウェア「コンピュータ顕微鏡」を完成した。これはLinux OS上の分子動力学シミュレーションで計算した生体分子集合体の分子座標や速度を10^<-15>秒ごとに計算、保存し,分子の動きをWindowsXP用のソフトgtk+(Gimp Tool Kit)とCygwinによって解析し、ウエブブラウザー上でアニメーション風に観察、体験するツールであり、また正確な分子同士の相互作用の解析も可能なソフトである。19年度では8月に開催した小中学校の現職教員のべ80名を対象にしたリカレント教育における様々な理科実験の中で、このソフトウェアを使って、より具体的な分子の動きを体験してもらい、分子の動きを3次元的に理解することができ、より深い理解を得たというアンケート結果を得た。一方、我々が推し進めている生徒、さらには教員の理科離れ対策のために開いた理科実験、「理科観察体験実習」では、物理、化学、地学等のより高度、専門的なテーマを選び、実験、演習を行った。高度な実験にもかかわらず、受講者から非常な好評を得、さらに真に力のつく科学実験を行ってほしいとの要望が強く出た。このことから、近年不足がちな理科の専門的知識や、創造性の向上を目指す現職教員がより高度で専門的な理科・科学全般の知識やノウハウを得たいということが裏付けられた。これら上記の結果は、2007年の国際学会や日本教育大学協会研究集会、九州地区・科学教育学会において口頭発表され、論文として大分大学教育福祉科学部研究紀要に発表された。
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