[1]空気認識に関する基礎的研究の主な成果について大阪府下のA保育園の幼児23名を対象に、空のペットボトル・ガラス瓶及び空のビニル袋・ビーチボール内の空気の認識を個別面接法によって調べた。この結果、形状が定型であるペットボトルでは23人中17人が「何も入ってない」、23人中1人が「空気」と回答し、ガラス瓶では23人中18人が「何も入ってない」、23人中0人が「空気」と回答した。さらに形状が不定型であるビニル袋では23人中6人が「何も入ってない」、23人中13人が「空気」と回答し、ビーチボールでは23人中6人が「何も入ってない」、23人中13人の幼児が「空気」と回答した。このことから幼児は、定型よりも不定型の容器を用いたほうが、空気を認識しやすい傾向があることが明らかとなった。 [2]天体認識に関する基礎的研究の主な成果について大阪府下のB保育園の5歳幼児計24名を対象に、太陽と月についての幼児の認識が、物語絵本(二非科学的な内容の絵本)と科学絵本(=科学的な内容の絵本)』とによってどの様な影響を受け、さらに1ケ月後、それらの認識が持続するかどうかを調べた。認識についての質問内容は、太陽については、(1)太陽の色、(2)太陽の個数、(3)太陽の日没後の位置とそこでの行動、(4)太陽の運行、月については、(1)月の色と形、(2)月の満ち欠けの理由、(3)月の形体、(4)月までの距離の各4観点について個別面接法を実施した。スクリプトの分析の結果、太陽については、各認識調査において12名中2名の幼児が、月については「(2)月の満ち欠けの理由」の質問において12名中2名の幼児が物語絵本の影響を受けたことが示された。
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