研究概要 |
平成19年度は,中学生向けのロボット教材,特に操作型有線ロボットに関して,指導者や生徒から調査した内容をもとに(1)ロボット製作に必要な知識の整理とコンテンツの作成,(2)具体的なロボット教材の開発を行った.(1)としては,中学生の指導用として参考になる書籍6冊及びビデオ教材2件を収集し,生徒及び中学校教員の参考となる知識を整理した.その結果,競技用ロボットとしては走行部とハンドリング部の機構が重要であり,生徒がアイデアを出す箇所でもあることがわかった.生徒は実際にロボットの実物を見る機会が少ないため,ビデオ教材ではなく現物を製作してほしいとの要望があった.そこで,走行部として,車輪式,クローラー式,脚式に分類して,それぞれの機構の参考モデルをLEGOブロック及びロボット教材キットを用いて21点作成した.LEGOブロックを用いた理由は,アイデア検討の段階では試行錯誤することが重要であり,すぐにばらせて組み立てることが必要であると考えた.更にロボット教材キットを用いた理由は実際に製作する時に身近なものとして指導者も助言しやすいと考えたからである.次にハンドリング部の機構モデルとしては7点を作成した.掴む動作と挟む動作を主として作成したが,その他の動作については参考書籍を提示できると考えられる.(2)としては,走行部の変形が可能なロボット,つまり車輪,クローラー,脚の変形が可能な4chリモコンで操作が可能なロボットを作成した.更に車輪式で不整地走行が可能なようにサスペンション機能を持つロボットとして,ロッカーボギーサスペンションを模擬した2chリモコンで操作が可能なロボットを製作した.製作した各種モデルは実際に中学校技術科の授業で使用できるものばかりであり,実際に参考になると考えられる.
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