近年、小中高生の理科離れが深刻な状況に陥っている。これは科学技術立国を国是とする我が国にとって、憂慮すべき事態であろう。本研究では、理科離れの一因を、理工系教育における「言語」のあり方の問題に求め、有効な改善方法を研究・開発することを目的とする。 具体的には、理工系教育に使用されている教科書・教材等を、言語表現の観点から見直し、児童・生徒・学生に対するアンケートおよび聞き取り調査等を踏まえて、理科系科目の学習において「難解さ」「嫌悪感」等が生じる原因を探る。そして、その上で、発達段階や理解レベルに配慮した適切な用語、文脈の構成等を提案できるようにする。 この提案に際しては、難解語・難解表現のデータベースを作成し、理工系教育に携わる者が授業等に活用できるようなフォーム(辞書等)にまとめることを目標とする。
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