研究課題
基盤研究(C)
本調査では、5地域の公立小・中・高等学校の児童生徒及びその卒業生を対象に調査を実施している。今年度は高等学校第2学年の生徒を対象とした調査を実施した。今回の調査では、1995年度に実施した同一8校での調査と比較して以下のような結果が見いだされた。理科問題については、今回の正答率が55%と95年度調査の正答率と同じであった。95年度調査と5%ポイント以上の差がある問題は20題中6題で、正答率が上がった問題が2題、下がった問題が4題であった。数学問題については、今回の正答率が62%と95年度調査の正答率と同じであった。95年度調査と5%ポイント以上の差がある問題は20題中4題で、正答率が上がった問題が2題、下がった問題が2題であった。理科の授業では、生徒の考えや希望を受け入れたり、科学と生活との関連を説明したりする頻度が増え、また、生徒自身や教師による実験・観察活動が増えていた。さらに、興味深い授業をしてくれる頻度も増えていた。数学の授業では、問題を振り返り見直す機会や意見を出し合うなど話し合いの機会が次第に出てきた。生活との関連についても少しずつ増えていた。理数に関する児童生徒の意識については、理科が面白いとする生徒の割合はやや増えていたが、数学を面白いとする生徒の割合は95年度と変化なかった。野外観察では楽しいとする生徒の割合が減少した。科学の発展は国の発展に重要とする認識はいくらか増えたが、国が科学のためにお金を費やすことに関しては肯定的な意識が減っていた。理科を学習する理由については、科学が役立つからが3割で変化ないが、考え方を知ることがやや減り、入試に必要がやや増えた。数学を学習する理由では、数学が役立つからが3割で変化ないが、入試に役立つからがやや増えた。数学の勉強ではコンピュータを使わない方向への回答が増えていた。