研究課題
本研究は、学習指導要領改訂の際に重要な知見となる児童生徒の成績や態度に対する教育課程の移行による影響や社会的な影響を把握するため、平成元年度より実施している追跡調査の継続研究である。中学校2年生を対象とした今年度の調査では、1992、2003年度に実施した同一地域14校(1992年度は13校、生徒数の増加により1校新設)での調査と比較して以下のような結果が見いだされた。理科問題の正答率は、92年度59%、03年度53%、今回53%であった。03年度と5%ポイント以上の差がある問題は20題中2題で、正答率が上がった問題と下がった問題が各1題であった。数学問題の正答率は、92年度57%、03年度54%、今回55%と変化なかった。03年度と5%ポイント以上の差がある問題は20題中3題で、正答率が上がった問題が2題、下がった問題が1題であった。理科の授業では、科学と生活との関連を説明する授業や実験・観察を行う授業が増えていた。また、興味深い授業をしてくれる頻度も少しずつ増えていた。数学の授業では、生活との関連を説明する授業が増えていた。コンピュータを使った授業頻度はわずかに変化しているが、約9割がほとんどないと回答していた。理数に関する生徒の意識については、数学を面白いとする生徒の割合は92年度と変化がなく、理科が面白いとする生徒の割合はわずかに増えていた。野外観察では楽しいとする割合は減少した。科学の発展は国の発展に重要とする認識や、科学のためにお金を費やすことの価値を認める割合が増えていた。科学の職業に対する意識は03年度と変化なかった。理科を学習する理由については、03年度から考え方を知るがやや減り、考える力がつくがやや増えた。科学研究の主要な目的では、幸福な生活の手段が徐々に減っている。数学学習の理由では、社会のいろいろな面で役立つからが半数以上を占めている。数学の勉強ではコンピュータを使わない方向への回答が増えていた。
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