研究分担者 |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 学習課長 (60233433)
亀井 修 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 学習課ホランティア活動・人材育成進室長 (40415609)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 学習課係長 (90259995)
田邊 玲奈 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 学習課学習企画担当 (80392538)
鹿嶋 研之助 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (00327165)
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研究概要 |
子どもたちが,主体的に自己の進路を選択・決定できる能力を身に付け,社会の変化に対応できる社会人・職業人として自立していけるようになるには,しっかりとした勤労観・職業観を身に付けておくことが重要と考えられる。本研究では,科学系博物館のもつ多種多様な資源を活用したキャリア教育の在り方について実践的な研究を行った。 国内の科学系博物館に対して,科学系博物館での職場実習・ボランティア体験等の受入れ人数,受け入れ期間,受け入れプログラム,実施上の課題等についての実態調査(アンケート)を行うとともに,先進的な取組を行っている博物館に対して実地調査と担当者へのインタビュ-を行った。その結果,キャリア教育プログラムに取り組んでいる科学系博物館は,アンケート送付館の約半数にのぼることが明らかになった。一方で実施されているプログラムの内容は「博物館についての理解」を目的とした博物館職員の業務の体験的な内容が多かった。勤労観・職業観を身に付けさせることを目的に,博物館のもつ特性について検討を行い,プログラムを構成している事例は少なかった。 本研究のプログラムの試行評価では,「博物館には多様な職種があり協力して来館者サービスにあたっている」,「博物館の研究・展示・教育が一連の活動である」ことを理解させることを目標にプログラムを構成した。プログラム受講者に対して行ったアンケ-ト調査では,これらについて理解が深まっただけではなく,多様な来館者と対話することを通して,コミュニケーション能力の重要性の理解と向上,科学リテラシーの涵養にも効果があることがうかがわれた。 このように,科学系博物館がその特性を活かすことにより,様々な拡がりをもつキャリア教育の場として構築できる可能性があることが明らかになった。
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