内外の高等教育機関(大学等)の工学系博士課程における学生の選抜方法、選抜基準、指導教員の決定方法、教育・研究指導の方法・体制・責任範囲、学生と教員の行動規範、学修到達目標、学生の権利保障の枠組みと体制、学位論文の受理要件、審査体制、審査態様、合否の判定基準、審査手続の実態等について、現実に博士課程学生の研究指導と教育を担当する第一線の教員を主たる対象に、アンケート調査、訪問調査を行った。 具体的には、国内では北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、九州工業大学、慶応大学、早稲田大学、金沢大学、名古屋工業大学、新潟大学、神戸大学、広島大学、福井大学、長崎大学のそれぞれからデータを集め、また海外ではウィーン工科大学(オーストリア)、ダルムシュタット工科大学(ドイツ)、ポアティエ大学(フランス)を訪問して調査を行った。 その結果は現在も解析中であるが、工学系博士論文として認定する水準と、その水準を維持し、また一層向上させ、あるいは低下を防止するための枠組みと方策について、内外の大学の制度と運用が対照的に異なることが判明した。今後解析を進めるとともに、さらに調査対象大学を内外とも増やして世界的な全体像を明らかにする予定である。
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