研究課題/領域番号 |
18500693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 独立行政法人大学評価・学位授与機構 |
研究代表者 |
六車 正章 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (00321597)
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研究分担者 |
橋本 弘信 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (10016131)
角田 敏一 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (70034402)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 工学 / 博士課程 / 研究指導 / 学位論文 / 論文審査 |
研究概要 |
国内30、海外19の高等教育機関(大学等)の工学系博士(後期)課程において、学生の選抜方法、教育・研究指導の方法・体制、学生と教員の行動規範、学修到達目標、学位論文の受理と審査、合否判定等について、博士課程学生の研究指導と教育を担当する第一線の教員を主たる対象に、アンケート調査、要すれば訪問調査を行い、その結果および収集した関連資料を分析した。我が国が科学技術創造立国を実現するには、優秀な工学系博士後期課程の修了者多数が必要であり、その質保証が事の成否を左右する。このような背景のもとで、我が国の主要な大学について行なったアンケート調査、インタビューは、我が国の工学系博士課程修了者の実力の指標となる学位の質保証についての現状と課題を明らかにすることができた。特に、海外の大学に対して行った同様の調査結果と対比することにより、一層鮮明になった感がある。我が国の研究指導、教育指導は、大学における教員の予備軍を育成するという従来からの暗黙の前提が色濃く反映されて、幅が狭くても深い専門性を身につけさせる指導が行われている。このため博士課程修了者といえども幅広い知識と新しい分野に取り組む積極性、プロジェクトを立ち上げてチームプレーを行う能力を求める産業界の要求とミスマッチが生じており、現実のニーズに対応できていない。また、指導教員が指導対象の学生に対して圧倒的に優位な立場にあって自由裁量の余地も広く、組織的な制度の整備と運営が不十分なために、博士の学位の質が教員個人の質に過度に依存してしまうこと、万一指導の内容に問題があっても是正されにくい傾向にある。これらの問題点を解決するには、個々の教員の裁量に過度に任せる体制ではなく、課程の行動規範、学習到達目標などを統一的に定めて公開し、組織内の教員と学生が等しく共有、遵守する中で指導が行われる方向へ制度を改変する必要性が指摘できる。
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