| 研究概要 |
本研究は,ベテラン及び中堅の教師が授業,とりわけ他者の教育技術をどのように捉えているかという視点の構造を明らかにし,それをもとに,現職教師及び養成段階の学生の授業実践能力の形成に寄与することを目的としている。教師の本務である児童・生徒との関わりを通した学習指導における授業研究体制を提案し,授業改善に資するところに特徴がある。
具体的には,
1)学校教育現場における校内研修会等における質の高い授業研究体制の提案
2)養成段階の大学院生及び学生が協同参画し,授業研究する体制の提案
3)そのために教師自らの授業実践上の問題点を実践的に解決するカの形成
4)暗黙知である教育技術に焦点をあて,その伝達可能化
等を目指すものである。
本年度は,まず,秋田県内小中学校の新任研究主任及び授業実践力向上を目指した研修講座に参加した教諭を対象に,アンケート調査を行った。その結果,1)校内研修体制において,学校規模が大きくなるほど,管理職の助言等への期待度が低くなっている2)自己の力量向上を望む領域は「教材開発」「教科の専門事項」「生徒指導理解」にウエイトが大きく,「授業実践力」への関心はどちらかと言うと低い(3)とりわけ,「教材開発や単元開発の方法」については経験年数が少ない者ほど希望が強いが,「生徒理解指導」は経験と共に希望が強くなる等の傾向を見いだした。
また,小〜中規模校での校内研修会に参画し,実際の話題等についても実態調査した。その結果,「授業実践力」に関する議論が少ない実態を見いだし,その改善にはワークショップ形式の研修会が効果的であることが把握できた。さらに,視聴覚メディアに関する専門的な力量形成を目指す研修についてのケーススタディも試みた。
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