研究概要 |
(1)学習コンテンツの検討 学生・生徒のモチベーションを維持できるように,図画を多用する教材として,数学の図形の性質に関するもの,社会科で地図記号や国旗を当てるものなどを検討・作成した。また,聴覚障害者の弱点を克服できるようなユニークな教材として,国語の助詞に関するものを検討し,級別検定試験の形で携帯電話用教材化を試みた。一方,携帯電話に常駐させておけば,任意の教材コンテンツのみをサーバからダウンロードできるようなJavaアプリを開発した。このアプリは教材の多様な設問形式に対応可能で,携帯電話とサーバ間のトラフィックを軽減させる効果も期待できる。 (2)学習システムの構築 ・携帯電話の非接触ICカード(Felica)に対してデータの書き込み/読み出しを行う機能を教材Javaアプリに付加した。これにより,Felica搭載のパソコンとの間で学習履歴などのデータ受け渡しが可能となった。 ・学習コンテンツを難易レベルによって階層化し,学生・生徒の学習履歴で教材配信をコントロールするためのデータベース連携サーバサイドアプリを作成した。これは級別検定試験などに活用できる。 ・カード型携帯電話器のテレビ電話機能を有するAVユニットを用いて,対向する携帯電話に遠隔から映像を伝送するシステムを構築した。これにより,教師の学習解説をライブ中継したり,学習場(実験室など)の雰囲気を伝えるなど,携帯電話利用学習を補完する新たな展開が図れる。 (3)検証と評価 評価版として作成した教材を学生に携帯電話で利用してもらい,対面で意見を聴取した。これらは次年度の本格的な検証・評価に向けて,教材アプリが具備すべき機能を検討する上で参考となった。 (4)研究会の開催 研究代表者及び研究協力者による研究会を開催し,それぞれが持ち寄った教材を比較・検討した。この中で,特に,聴覚障害者の弱点を克服するような教材の作成・配信について議論を深めた。
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