研究概要 |
1.学習コンテンツの開発 聴覚障害者の弱点として指摘されている分野に特化した携帯電話アプリ用教材として,「助詞検定」を作成した。この教材は10級から4級までの練習問題と検定試験問題からなる。練習問題は多肢選択式で,各級10セット(1セジト当たりの設問数10,検定問題は記入式で,各級3セット(1セット当たりの設問数10〜20)を作成した。指定された複数の練習問題を満点でクリアしなければ,検定受験資格が得られないので,学生・生徒のやる気が醸成される。一方,携帯電話の学習利用を,より広い視点で捉え,理科(ものづくり)教育への適用・実践のためのカリキュラムと教材を開発した。 2.学習システムの検討 携帯電話用助詞検定アプリは各級の問題ファイルと一緒にWebサーバに置き,利用者が自由にダウンロードができるようにした。また,利用者の得点や実施回数などがサーバに登録できるようになっている。一方,e-ラーニングのためのLMS(学習管理システム)の管理下の学習コースのひとつとして,助詞検定を試作し,パソコンからの利用を試みた。携帯電話用アプリと,ほぼ同等の機能を実現できた。 3.検証と評価 全国各地の研究協力者(聾学校教員)に依頼して,助詞検定教材の評価を行い,意見を集約して教材改良に役立てた。また,本格的な実施に備えて,本学学生や聾学校生徒に利用してもらい,感想を聞いた。一方,聾学校(高等部)において,携帯電話の赤外線通信やテレビ電話機能を用いたロボットの遠隔制御の講義・実習を実施した。生徒達は携帯電話が生活の様々な場面で役立つことを実感することができたと思われる。
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