研究課題
本研究では、大学等高等教育機関において、グループによるソフトウェア開発演習を支援する環境構築を目的とする。特に、ソフトウェア開発を問題解決過程ととらえ、ソフトウェア開発の全工程における開発成果物に対して、それと関連付けて問題解決や知識獲得の軌跡を残すことにより個人の内省を促すとともに、個人では解決できない問題に対してグループメンバー、クラスメンバー、外部リソースとのコラボレーションを通した問題解決を促進させる演習支援環境を構築し、それを大学の演習に適用し、その有効性を実証的に明らかにすることを目指した。そのために、問題解決プロセスモデルを提案し、提案モデルを実現する支援環境をWebアプリケーションとして実現した。開発した支援環境を、平成19年度と平成20年度の2回の大学で開講しているソフトウェア開発演習に実適用した。その結果,以下のことが明らかになった:・登録された問題解決情報の大多数はプログラミングに関するものであった.これは2回の適用において同じような傾向であった・問題解決情報の大部分は「作り方」に関するものであり、「進め方」に関するものは僅かであった・問題解決情報並びに質問・回答の共有については全員が意義を認めた・2度目の実験では、平成19年度までに問題解決情報が登録されているにもかかわらず、それを見つけることができずにグループメンバーに相談したり、TAや教員がその存在をアドバイスするケース(知識の存在を仲介する人物が重要な役割を担う)、同一の問題解決情報が登録されるなどが見受けられた.
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Proceedings of the Seventh International Conference on Creating, Connecting and Collaborating through Computing (C5'2009) (CD-ROM)
Proceedings of the First Workshop on Knowledge Reuse (CD-ROM)