研究概要 |
本研究の最終目的は,協調学習における学習者の形成的評価項目を作成することである。 初年度である平成18年度は,先行研究(大島ら,2006)で明らかになっている形成的評価の観点と学習支援方略の一般性を検証し,汎用性の高い評価指針と支援方略の開発のための基礎作りを行った。本年度である平成19年度では,前年度からの継続という形で形成的評価の観点と学習支援方略の信頼性、妥当性の検討を行った。 さらにこの検討を元に学習支援方略の指針作りを開始した。具体的には,協調学習揚面において用いられる学習支援システム上に形成的評価のための支援ツールを搭載し,さらに形成的評価専用のワークスペースをシステム上に設け,授業実施中の評価活動を円滑に行うための環境を整えた。これにより教員やメンターなどの学習支援者が,机間巡視や支援活動において直接的に得られた学習者や学習活動に関するデータ(所見)と,学習支援システム上に記録された学習の成果物を連携させながら形成的評価を行うことを可能にした。さらに,この支援ツールとワークスペースの効果を検証するため,講義内容や学習支援者の数,クラスサイズなどが異なる3つの講義において試験的な利用を行った。
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