研究概要 |
本研究の目的は,協調学習における学習者の形成的評価項目を作成することである.初年度である平成18年度は,先行研究(大島ら,2006)で明らかになっている形成的評価の観点と学習支援方略の一般性を検証し,汎用性の高い評価指針と支援方略の開発のための基礎作りを行った.第2年度である平成19年度では,前年度からの継続という形で形成的評価の観点と学習支援方略の信頼性・妥当性の検討を行った. これらを受け平成20年度では,引き続き実践授業においてデータ収集と分析を行うことで評価項目の信頼性・妥当性の検討を行った.学習活動における社会的側面を分析する指標としてENDCOREsモデル(藤本ら,2007)を,認知的側面を分析する指標として大島ら(2006)の「人-道具-課題」の関係を用い,認知的側面と社会的側面の関係性を明らかにすることを試みた.その結果,認知的活動を円滑に進めていく上で,表現力,解読力,関係調整,自己主張,他者受容5つの評価項目が同定できた.特に認知的活動のうち,より基本的な議論進行に関してこれらの指標が有効であることが示唆された.
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