研究概要 |
本研究の目的は、「相互に支え合う」ために必要な「個人の様々な学習成果を発信することができる」「他の人と共有することができる」「新たな学習の動機付けに結びつけることができる」などの活動を「共同貢献」とし,それらを遠隔地でも実現できるシステムを開発し,評価を行うことである。そのうち、平成19年度の成果は以下の通りである。 (1)フィンランドにおけるICT教育について資料を収集、分析を行った。PISAの学力調査でも明らかになっているように、フィンランドは、コミュニケーションを重視した教育、特にネットワークを利用した遠隔地コミュニケーションに関して早くから実践を行っているとともに、歴史的に重要視されている協働活動についても共同貢献活動の一つとしてとらえ、理論的な基盤とした。 (2)すでにフィールドとして研究代表者が関与している大学から実験協力を得、20名程度の実験協力者を確保した。専用のサーバを用意し、ネットワークを利用したコミュニケーションができる環境を用意した。このシステムにより、パソコンや携帯電話から、日々のコミュニケーションはもちろんのこと、「コミック」「コンビニエンスストア」など身近な話題から、「内発的動機付けと外発的動機付け」「講義と実習の違い」など専門的な話題まで、さまざまなテーマについて情報交換を行うことができた。これらのコミュニケーション過程を分析することにより、「共同貢献」の内容、状況、成立の条件などが明らかになると想定される。
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