研究概要 |
1.コミュニケーションの知識・スキルの体系化 従来は複数の教科で個々に学習目標とされでいた,コミュニケーションに関する知識・スキルに加え,より広い観点からのコミュニケーションの知識・スキルの体系整理を行った。たとえば,コミュニケーションに直接関連する人間の情報処理についての基礎知識も,必要に応じて学習者に理解可能な範囲で取り入れ,また,諸外国のカリキュラムや教科書,参考書,国内外の関連文献も参考に,体系化を行った。 2.ミスコミュニケーション事例の整理 ミスコミュニケーションの解消や予防に役立つミスコミュニケーション事例のデータベース作成に向けて,コミュニケーション・トラブル,コミュニケーションの失敗などのミスコミュニケーション事例に関するデータを分類・整理した。これらの資料を用いて,ミスコミュニケーション事例のデータベースを試作した。 3.コミュニケーションの科学的探究学習プログラムの開発 コミュニケーションについての科学的探究心を育てる学習プログラムを設計し,実施した。単元「発言を誤解されてしまうのはなぜか?」においては,Learning by Teaching法や失敗事例分析法を取り入れた学習を展開した。また,単元「意見をうまく伝えられないのはなぜか?」においては,意見文作成とグループ討論を組み合わせた学習を展開した。これらの学習の効果は,学習者の内省や事前・事後の作文の評価において認められた。
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