研究概要 |
本研究では,平成19年度までに,主に学習者が獲得した知識を内省し外化するための概念構造の外化ツールの設計と開発,プレゼンテーションを対象とした知識外化における知識洗練プロセスのモデル化とピアレビュー支援環境の設計と試作および予備的な評価実験などを行った.平成20年度は,システムの改良を行いながら,複数のユーザによる本格的な評価実験を進め,本研究が提案する主体的学習のための知識洗練モデルの妥当性の検証を行った.また,これまでの研究成果をまとめ,複数の国内外の研究会や国際会議などにて発表を行った.平成20年度における主要な研究課題は,以下の通りである. (1)プレゼンテーションにおけるピアレビューとバックレビュー方法:本研究では知識の外化として,特にプレゼンテーションにおけるピアレビュープロセスに着目した知識洗練支援の検討を行った.平成20年度には,土台となるレビュー支援環境のプロトタイプシステムを完成し,特に収集された複数のピアレビュー結果をプレゼンテーション改善に役立てるために,整理・分析して学習者にフィードバックするバックレビュー支援方法の検討と実装による評価を行った. (2)ネットワーキングを用いた遠隔非同期によるレビュー環境の実現:現在開発中のレビュー支援環境は,ローカル環境におけるミーティング環境を前提として設計されている.しかし,多くの場合地理的時間的な制約からレビュアーの確保が困難であることが平成19年度までの試験運用の結果わかった.そこで平成20年度は遠隔非同期によるレビューを可能とするサーバ環境を設計開発し,試作・検討を行った.
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