研究概要 |
今年度は,本年度の目標に掲げた,「プレースメントテストのテスト項目の調整」,「スキル階層図による教材の構造分析」,「教材のモジュール化,および学習履歴情報取得の準備」,「情報収集および研究成果の発表」を行った.2003年度〜2006年度の3年間に渡り,大学新入生に対して,必修で実施しているコンピュータ利用教育の前後で,そのコンピュータ操作能力を,項目応答理論を利用したテストを使って測定しているが,問題項目を変更しているにもかかわらず,安定的に換作能力(スコア)の推定できることがわかった.2006年度には,プレースメントテストの結果を利用して,情報基礎教育のクラスを習熟度別に分け,コンピュータ利用教育を実施した.その結果,利用教育前に操作能力のスコアが低い学生の方が,利用教育において大きくスコアの伸びがあることが証拠づけられた.この結果は,大学におけるコンピュータ利用教育のリメディアル化の方向性をサポートするものであると考えている. 2007年度の新入生に対して,どのスコアの学生が,どの学習項目に対して習熟しているかの情報取得を行うために,現在まで行っているコンピュータ利用教育の学習項目の内容を分析し,すべての項目に対して小項目ごとにモジュール化された教材作成を行った.2007年度は,これらの教材を用い,学生の学習履歴情報を収集しながら,項目応答理論を利用したスコアと,モジュール化された教材の対応付けを行っていく予定である. 2006年度には情報収集のため,国内では,日本教育工学会全国大会,情報処理学会CMS研究会,統計関連学会連合大会,情報教育研究集会等に参加した.このうち,日本教育工学会,CMS研究会,統計関連学会では,本研究の成果の発表を行っている.また,国外ではe-Learn2006,WBE2007,ICCE2006等に参加した.このうち,e-Learn2006とWBE2007では,本研究に関連する研究の発表を行った.
|