研究課題/領域番号 |
18500717
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
佐々木 由香 公立大学法人三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50262928)
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研究分担者 |
大谷 恵 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (80286426)
橋本 浩二 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80305309)
柴田 義孝 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (80129791)
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キーワード | 遠隔ゼミ / 高精細映像通信 / 全方位映像 / マルチモーダルコミュニケーション / グループカウンセリング |
研究概要 |
本研究の目的は、複数の参加者が一部は対面で一部は遠隔地より参加する対面遠隔混成のゼミにおいて、個々の参加者が、相手と生身で対面しているか遠隔で映像ストリームを経由して対しているかに関わらず、誰とでもできる限り心理的に等距離で自由にコミュニケーションできるような環境を検討することにある。 平成19年度は、一台で多人数参加者全員をそれぞれ正面から捉えることができる全方位カメラに、全体の様子を俯瞰できるカメラを併用した。平成20年度は全方位カメラの解像度を上げることにより、そのパノラマ展開映像上でも個々の参加者の表情までを観察できるようにシステムの性能を改善させた。これによりシステムの高性能化のほか、簡素化、ユーザビリティ向上を図ることができた。 実際の遠隔メンタルヘルスケア・セミナーにシステムを活用し、遠隔地にいる精神科医(講師)とセミナー参加者が対話を行う評価実験を行った。19年度のシステムで遠隔地の教師の視線を分析したところ、直接会話時には全方位映像に目を向けるものの、場の観察時には俯瞰映像により多く目をむけており、表情や視線交差に加えて、場の全体像や身体の動きが重要な観察項目になっていることが示唆された。解像度を上げた20年度のシステムでは、俯瞰映像が無くともシステムに対する満足度は高かった。ここから、解像度が十分であれば、参加者個々の表情や動作、場の雰囲気などを遠隔地からある程度つかむことができるため、正面映像のみでも実用には十分であることが確認された。またセミナー参加者もシステムを意識することなく参加者同士また講師と自然に会話ができることが確認された。
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