1)実験を含む工学系遠隔教育の実験テーマとしては、本研究に入る以前に温度制御を取り上げており、本研究ではアナログーデジタル変換などの他のテーマを取り上げる予定であったが、組込みシステムおよび組込みソフトウェア教育の重要性が高まっていることから、実験テーマとしては組込みシステム、組込みソフトウェアに関連する教育内容を取り上げることにした。コンピュータを内蔵した組込みシステムの開発技術者は大幅に不足しており、ハード、ソフト双方を理解できる組込みシステム/組込みソフト技術者育成のための大学教育が重要になっている。 大学における組込みソフト技術者の基礎教育として、ハード設計、ソフト設計、ハード・ソフト協調設計の基本を実験を通して体得させる方式を研究している。 修得レベルに応じて段階的に実施可能な学生実験を通じて、組込みシステムの基礎技術を習得させる学生実験方式を提案する論文をまとめ、成果の一部を2006年11月に電気学会の関西支部連合大会で発表した。また、組込みシステム基礎教育のための実験テーマとして組込みソフト開発、LSI (FPGA)論理設計、ハード・ソフト協調設計実験などから構成される実験方式を提案する論文をまとめ、2007年2月に国内論文誌および国際会議に投稿した。 今後、さらに研究を続けて遠隔実験として実現することを検討していく計画である。 2)遠隔実験/遠隔授業スケジューリングの研究については、前年度からの継続研究であるスケジューリングの再試行支援のためにエージェント技術を導入した論文が、米国のEEJ (Electric Engineering in Japan)に掲載された。表題は「An Agent-based Scheduling Method Enabling Rescheduling] with Tria1-and-Error Approach」である。
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