研究課題/領域番号 |
18500736
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三尾 忠男 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20219596)
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研究分担者 |
長島 啓記 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00298449)
菊地 栄治 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (10211872)
波多野 和彦 早稲田大学, メディア教育開発センター・研究開発部, 准教授 (50198751)
南部 昌敏 上越教育大学, 学校教育総合センター, 教授 (90143627)
浦野 弘 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50185089)
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キーワード | 教育工学 / 授業改善 / 高等教育 / 授業評価 / 大福帳 / 教員成長 / FD |
研究概要 |
大学教員が授業者としてのどのように成長するかは、個々人がもつ授業観によって現状認識と課題意識に差があること、教職課程科目担当者という授業者による実践を対象に、以下の点で授業評価調査が与える効果の事例を整理した。 1.ティーチング・ポートフォリオの作成、蓄積の授業改善への効果講義と成績の関連資料、授業評価調査結果(総括的)と施設設備の資料(写真を含む)の電子化し、それを授業者間で交換することで、より具体性の高い授業改善の観点を授業者が認識し、実際に試みることができた。また、成績評価についてもこれらの情報を交換することでより妥当な方法と基準の作成に有効であった。 2.日常の授業における学生からの意見(授業評価調査)の分析三尾・波多野は大人数授業(100から250名)でマークシートによる毎回の授業評価調査と三尾・南部・浦野・波多野は、シャトルカード(大福帳)を用い、学生の授業内容の理解、授業方法の受け止め方、学習意欲・態度の表明、及び受講生の記述内容に対する授業者コメントの傾向について分析した。授業者コメントは、その授業者の教員としての履歴で内容の質と量に違いあることがわかった。以前に初等・中等教育の教員を経験した授業者は、より教育的配慮に富むコメントを学生に返し、その文字量も多いことがわかった。 3.授業の相互参観、介入。映像記録による分析早稲田大学において授業相互参観と映像記録を実施した。改善点を各自が確認する際に映像記録が有効であることが確認された。 4.報告関連学会での発表、大学教員向け研修(全国歯科衛生士研修会8月)等で、授業評価調査が大学教員の授業者としての成長に有効であることについて報告した。参加した大学教員の多くは、肯定的な認識をもっていることが確認された、ただし、授業調査の労力を軽減する方法を各自、各大学事情によって工夫する必要があることが課題として残る。
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