中学生、高校生を対象にしたネット利用時のリスクに対する意識調査によって、中学校、高校で行われいてる情報教育の問題点が明らかになった。現在の情報教育は、ネット上の危険から自衛するための方法を十分教えておらず、いっどの生徒が被害にあっても不思議ではない状況にあることがわかった。 また、学校の個人情報保護への対策について調査した結果、対策はまだまだ遅れた状態であることがわかった。また、個人情報保護は単なる安全管理の問題ではなく、個人情報に関する権利の保護であるという認識は低いこともわかった。自分の個人情報の権利を無視されている児童生徒は個人情報の権利の重要性について気づきにくいと考えられるため、情報モラル教育の中で、児童生徒に個人情報を大切に扱うことの重要性を指導するには、日常の学校生活の中で、児童生徒の個人情報に対する権利が尊重されなければならないと言える。個人情報保護の基本的な考えて方が学校に浸透するのには時間がかかるのか理由について、今後、調査、考察していく予定である。 テレビ会議システムを利用した遠隔交流学習の実践に協力する中で、どのように個人情報保護を図れば良いのかについても検討し、チェックリストを作成した。自治体によっては他の自治体の学校とのテレビ会議を禁止しているケースもあるが、今回開発したチェックシートを使えば、どこの自治体でも個人情報保護条例に違反することなく、実践可能であることがわかった。 さらに、個人情報保護についての教員研修の実施方法についても検討した。市レベルと校内レベルでの研修について、研究協力者が担当した研修会で教師の意識の実態について調査し、それに応じた研修プログラムを提案した。
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