ユニバーサル・アクセス化が進む高等教育における情報教育の効果的授業法に焦点を当てた授業実践を行っている。学生たちは、授業内容に関心を持ちにくいため、将来の職業に関連したテーマを設定することで動機付けを行いたい。しかし、専攻によっては卒業後の進路が多岐にわたるため、統一した課題設定が困難な学科も存在する。専攻の異なる学科で同様な内容の授業を通じて、グループ学習の効果と問題点を明確化しその対応策を検討した。 グループ学習の効果としては以下の知見が得られている。 質問しやすい環境であり、いつでも何度でも、気軽に質問することができる。教える側の学生にとっても、教えることによる自信や自己効力感が発生する。しかしその一方で、教える側、教えられる側の固定により特定学生への負担が増加すること、教えられる側の学生の依頼心を増幅させてしまうといった欠点が認められている。 平成18年度に新たに生じた問題点 ・欠席者多数のため、グループ学習そのものの成立が困難 平成19年度以降への対応策 ・出席状況に応じた柔軟なグループ編成の実施 ・他者とコミュニケーションが取れない学生への特別な配慮 ペア学習を利用したプログラミングの授業実践において以下の知見が得られている。 過去に能力別クラス編成でペア学習を実施した。 ・情報リテラシ能力が下位クラスの学生にとって、未学習分野の宿題はヒント教材が存在しても負担が大きい。 ・他者とのコミュニケーションが極端に苦手な学生が存在するためペア学習の成立が困難なグループが存在した。 平成18年度に新たに生じた問題点 ・多数の留学生の受講によりグループでの教え合いが困難な状況が発生した。 ・能力別クラス編成が解除されたため、グループ編成に偏りが生じた。
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