研究概要 |
携帯電話を利用して家庭学習を促すための,システムの開発・改良を行い,実践を通じて評価し,本格的な運用に必要な環境の検討を行った。その結果,形態電話のメール機能とブラウザ機能を組み合わせて家庭学習のきっかけが作れることが明らかとなった。また,2年間の実践を通して,教員側に求められる運用上の条件についての知見が得られた。 従来のe-Learningは,家庭学習の代替手段として,比較的学習意欲の高い学習者に対して効果の上がる方法を検討し,提供が行われてきた。本研究では,学習意欲が低い生徒を対象に,家庭で学習を行うきっかけ作りにe-Learningを利用している点に特徴がある。 本システムは,その日の授業に関連するメッセージを当該学生の携帯電話にメールで配信し,なおかつメールに記述されたURLを通じて当日の授業に関連する簡単なクイズに答えさせ,学習させるものである。解答結果は自動的に集計され,携帯電話を通じて教師が確認できるようにしてある。これにより,教師は授業前などに時間と場所を選ばずに確認がとれ,対面による生徒指導がスムーズに行えるようになっている。また,週ごとに正答率をランキング表示するようになっており,生徒が相互に確認しあうことで,学習への意欲を高められるようにしている。 実践は徳島県内の高等学校で行い,実践に利用された問題や解答者数のほか,教師と生徒の両方に対してアンケート等を通じてシステムの評価を行った。
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