研究概要 |
e-Learningを新たな独立した「自学自習の学習環境」として活用するためには,e-Learningのシステム中心の閉鎖的な学習環境の問題や,学習の重要な形態である協同学習への支援問題等が広く認識されている。われわれはこのような問題を解決するには,Webサービスを活用したシステム間のデータや機能の共有をベースにした広域仮想学習環境を提案し,その試作と検証を行っている。 本年度(平成19年度4月1日〜平成20年3月31日)では次のような面で研究を行った。 学習コンテンツのパッケージ化と広域学習環境での共用:e-Learningシステムで利用されている学習コンテンツは,大きく「教材提示」と「特種の専用機能/システム」に分けられる。前者は殆どのe-Learningシステムでサポートしているが,後者は制作が難しい上,閉鎖的で一つのシステムで独自に利用することしかできない。しかし,より高度なe-Learning学習を実現するためには,後者の充実が不可欠である。広域学習環境では,これをWebサービスベースにしたコンテンツパッケージ化による解決する方法を提案すると共に,その実験環境として,データ構造やアルゴリズムやプログラミングなどのソフトウェア教育に特化したモジュールとデータベース教育に特化したモジュールを試作した。 広域e-Learningシステムに適した評価環境の検討と実験:e-Learningという「孤独な」学習環境で,如何に学習者が他の学習者の存在を感じ,協力して学習できるように支援していくことが重要である。われわれは,学習者がゲーム感覚で他の学習者や先生と協調して学習し,同時にこれまでの学習情報を利用して個人に最適な学習環境を提供するする機能モジュールを構築した。 現在,複数のコンテンツパッケージを統合できるフレームワークを検討している。
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