研究概要 |
我々の提案するネットワーク実験室とは、実験装置の遠隔操作を可能とし、生の実験データと実験映像(顕微鏡映像&実験システム全景映像)を同期して保存する機能を有した実験システムで、いつでもどこでもだれでもが実験を可能とするユビキタスな実験室を目指している。平成18年度は、ネットワーク実験室の実験装置として、半導体素子の電流電圧特性及びLEDのような発光素子の状態を顕微鏡映像で同時評価できるものとし、また速度可変の再現実験を可能とするように実験の計測データと顕微鏡映像、実験風景の映像を同期保存する仕組みを構築した。現在は、半導体デバイス講義において,教室に持参した遠隔操作用パソコンをLAN経由で上記ネットワーク実験室に接続し、複数の評価素子(チップLED)を適宜選択し、各素子毎に電流電圧特性評価を測定パラメータを変更しながら、デモンストレーション実験を行った。またアバランシア降伏条件のような非可逆特性を示す測定パラメータでの実験については、測定後直ちに再生速度を変えてリプレイ実験を行い、アバランシア降伏電流による発光状況をゆっくり見せることができクラス全員に臨場感のある実験を体感させることができた.平成19年度は、このデモンストレーション実験用教材システムとして構築したネットワーク実験室を実験用eラーニング教材システムにするため、XOOPSをCMSの核とし、自動的に実験コンテンツが教材となる自己増殖機能を持つ遠隔実験コンテンツサーバの構築を行う。教室での教師によるデモンストレーション実験だけでなく、学生が情報処理演習室等からネットワーク実験室にアクセスし、本物の半導体評価実験を実行し,そのとき得られた実験データ及び映像を自動的に、eラーニング用実験コンテンツサーバに組み込む仕組みを開発する予定である。
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