ニューラルネットワークを適用した学習問題の正解率を予測するモデル、および最適化アルゴリズムを適用した学習効果を向上させるグループの組合せは、実際の教育現場に対応できる能力を有していなければ実用上有効でない。今年度は、まずニューラルネットワークの学習アルゴリズムの改良および遺伝アルゴリズムの改良を行い、学習効果を向上させる学習者の組み合わせを見いだした。次に、得られた学習者の組み合わせを実験対象者に選び、実際に学習実験を行本研究で提案した手法の妥当性を検証した。 ニューラルネットワークおよび最適化アルゴリズムはパソコン上で実行されるので、実際に教育現場の教員がこれらを利用するとき、可能な限り操作性を重視したソフトウエアの開発に取り組んだ。このとき、単に入力装置を操作して実行結果を出力するのではなく、操作者の意向に従ってプログラム実行条件を変更し再実行する機能や、得られた出力の一部を教員が修正できる機能を付加することを考慮した。 これらの研究結果を基に、今年度は2008年度に電気通信大学で開催されたSICE Annual Conferenceに1編、アメリカのオーランドで開催されたThe 2nd IEEE International Conferenceに1編およびギリシャのアテネで開催されたThe 9th International Symposium on Autonomous Decentralized Systemsに1編の合計3編の論文を国際学会で発表した。
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