本研究課題では、平成19年度下記の2点を目的としている。 1.学習タスクを中心とする語学学習理論(TBLT)を導入した学習デザイン設定により、英語コミュニケーション能力育成を目指した英語WBT教材開発を行い、授業での運用により評価を行う。 2.開発や運用面でのコストを考慮し、オープンソースのラーニングマネジメントシステムならびにオープンソースの教材作成ツールを利用し、汎用的英語学習コンテンツの共有と共同開発を実現するツールとしての効果や問題点を抽出する。 上記の目的を達成するために、平成19年度は次の研究実践を行なった。 (1)研究協力者(川見昌春)の協力を得て、昨年度開設・運用を始めた「MCT Moodle for Learning English」コースを公開し、サーバの動作確認、WBT教材データの公開、動作状況調査を行ない、Moodleのモジュールの機能の内容を確認した。 (2)教材作成 TBLT理論に基づいた英会話、英語プレゼンテーション用学習教材開発を行った。 (3)(2)で開発した教材を利用した授業を実践し、アンケートによる教材の評価を行なった。その結果、学生がTBLT理論に基づいたWBT教材を有効な学習手段と認識していること、フィードバック機能を重要視していること等が分かった。評価結果については学会発表を行った。 (4)国内の研究会に参加し、オープンソースの活用事例について調査した。 (5)9月に海外研究協力者(John Clayton)を招聘し、オープンソースの有効活用と共同開発に関する助言を得るとともに、開発した教材の効果的活用法、評価、改善項目について研究グループ全員で協議を行なった。 (1)〜(5)の研究により、TBLT、 WBTの有効性の確認ができ、オープンソースのLMSを用いた効果的教材開発と共有に必要な項目を抽出することができた。
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