この調査を通じて、国学者平田篤胤の旧蔵書と思われる『崇禎暦書』『新法暦書』『寛政暦書』等145冊を秋田県立図書館より見出した。『新法暦書』の『割圓八線之表』の巻には本居宣長の署名と花押が認められた。東北大学では天文方高橋景佑旧蔵の『西洋新法暦書』28冊を見出した。秋元文庫では『西洋新法暦書』の刊本160冊を確認した。併せて、国内に存在する『崇禎暦書』は『西洋新法暦書』であることも判明した。蓬左文庫では『天学初函』24冊とこれの完全写本を見出した。また、神宮文庫にある関孝和の暦書は国学者村井古巌が寄贈したものであることを確認した。中国の清華大学図書館では失われた梅文鼎の初期の著作『中西算學通』を発見した。
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