2世紀にアレクサンドリアで活躍した天文学者プトレマイオスによる占星術書「テトラビブロス」の、中世における伝承過程を研究するために、今までアラビア語写本を調査してきた。昨年8月には、テヘランにおいてその調査を行なった。まず、テヘラン大学中央図書館(Central Library of Tehran University)では、新たにフナイン・イブン・イスハーク(9世紀)による翻訳改訂版の「テトラビブロス」の写本を見つけ、CDに保存してもらうよう依頼した。またアリー・イブン・リドワーン(11世紀)による「テトラビブロス注解」の写本も依頼した。それらの写本番号はそれぞれDanishgah 830と474であるが、未だに手元に届いていない。 さらに、国立図書館(Milli Library)と国立マリク図書館(Milli Malik Library)においても、アリー・イブン・リドワーンによる「テトラビブロス注解」の写本(Milli 1729およびMalik 3432)を確認し、CDに記録してもらった。 これらの他に、直接「テトラビブロス」とは関係ないが、偽プトレマイオスによる占星術的アフォリズムである「ケンティロクイウム」の写本(Malik 6099/4、Danishgah 1971、およびマドラサ・アリー・シャヒード・ムタッハリー図書館Sipahsalar 612)、さらにビールーニー(11世紀)の「占星術教程」(Sipahsalar 665および国民議会図書館Majlis 162)、カスラーニー(9世紀)の「質問占星術」(Milli 1011)、そして偽アリストテレスの「アフォリズム集」(Majlis 4345および5283)をCDで入手した。
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