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2008 年度 実績報告書

中世における「テトラビブロス」の伝承の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18500767
研究機関京都産業大学

研究代表者

山本 啓二  京都産業大学, 文化学部, 教授 (60329927)

研究分担者 矢野 道雄  京都産業大学, 文化学部, 教授 (40065868)
キーワード占星術 / プトレマイオス / テトラビブロス / フナイン・イブン・イスハーク
研究概要

2世紀のプトレマイオスが著した『テトラビブロス』は、9世紀にアラビア語に2回翻訳されたことがわかっている。最初の翻訳の写本は現存しないが、ウマル・イブン・アル=ファッルハーンの注釈が全部で3写本残っている(以後ウマル版と呼ぶ)。そのうちの1写本のみに、ウマル自身の序文がつけられている。2度目の翻訳はアル=バトリーク・アブー・ヤフヤーによるものであり、フナイン・イブン・イスハークがそれを改訂した。後者のみが8写本残っている(以後フナイン版と呼ぶ)。ウマル版はフナイン版に比べてかなり簡潔に記されており、全4部のうち第3部の最後の章は全く扱われていない。占星術・天文学の専門用の使い方についても、両者では大きく異なっている。
章区分について、ギリシア語版(G)と2つのアラビア語版(U,H)を比較すると、さまざまな相違がみられる。なお、ギリシア語版は、1998年に出版されたヒューブナー版を用いた。
第1部では、Uだけが、第9章を9、10、11章に、また21章を23、24、25章に分けている。したがって、G、Hが全24章であるのに対して、Uは27章からなっている。第2部では、GとUが共通しているのに対して、Hは2章と3章で節の区分が異なっている。第3部では、やはりHのみが他と異なり、G、Uの第1章に当たる部分を、章なしで第1章の前に置いている。第4部では、HのみがG、Uの1、2章をまとめて第1章としている。したがって、一般に章区分はHよりもUの方がGに近いと言える。
また、フナイン版には、サービト・イブン・クッラが、一部の語彙に説明を加えている記述があり、8写本のうち5写本でそれを確認することができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 図書 (1件)

  • [図書] イスラーム世界研究マニュアル2008

    • 著者名/発表者名
      小杉泰
    • 総ページ数
      194-199
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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