研究課題
基盤研究(C)
○初期写真術の再生上野彦馬の『舎密局必携』、柳河春三の『写真鏡図説』などに基づき、我が国では最初の実用的写真術であった湿板写真と鶏卵紙について実験と考察を行った。当時の処方による画像の差異を明確に確認するに至っていないが、平成20年度より同様の課題を含む研究を継続中であるので、さらに実験を行っており、21年度も継続を計画している。また我が国では研究実験の段階に留まったダゲレオタイプ(銀板写真)について川本幸民の『遠西奇器述』に基づき実験を行い良好な結果を得た。○初期写真資料調査George Eastman House国際写真博物館で湿板写真機材およびダゲレオタイプ処理機材、スミソニアン協会アメリカ歴史博物館所蔵の湿板写真撮影用携帯暗室の調査も行った。国内調査ではNark Osterman氏とともに、熊本の冨重写真所に保存される明治初期の湿板写真原板や江戸東京博物館に収蔵される横山松三郎の湿板原板などの共同調査を実施。技術や処方の違いによる画像の差異などについて今後の実験考察の中で役立つ貴重な知見を得た。また山口県萩博物館では、萩藩士で幕末の海軍伝習生であった中島治平関係の資料調査を行った。現存する最古の湿板写真技術書(草稿)といわれる「ホトガラヒーノ説」の全頁を調査するとともに、新たにその草案と考えられる文書を発見することができた。○初期写真機材復元上野彦馬所用の湿板写真撮影用携帯暗室および湿板写真原板の感光性付与のための硝酸銀液容器、さらにはダゲレオタイプ原板の感光性付与に用いる沃素箱および水銀現像容器の復元も行った。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
江戸のモノづくり国際シンポジウム報告集一近世科学技術のDNAと現代ハイテクにおける我が国科学技術アイデンティティーの確立
ページ: 231-238
ページ: 239-242
Proceedings of the 8^<th> International Symposium on "Invention in the Edo period": Manufacturing DNA for optical instruments in pre-modern Japan and an establishment of Japanese Identity in modern high technology
Proceedings of the 8^<th> International Symposium on "Invention in the Edo period" : Manufacturing DNA for optical instruments in pre-modern Japan and an establishment of Japanese Identity in modern high technology
日本写真協会会報 第426号
ページ: 2-5
月間文化財(文化庁監修) 10/No. 517
ページ: 16-20
Journal of the Photographic Society of Japan No. 426
Monthly Journal of Cultural Properties 10/No. 517