研究概要 |
新メッシュ気候値に基づく雪質地図を作成し、その気候的、地理的な特徴、また新旧メッシュの違いなどを明らかにするために、メッシ気候値と国土数値情報の標高データを組み合わせたデータベースを作成した。また、雪質の区分において寒冷少雪な地域を指す「しも,ざらめ雪地域」の定義の再検討を行い、その気候条件の再定義を行った。そして、それらを利用して新メッシュ気候値を基にした雪質地図を作成した。その結果、新たに「しもざらめ雪地域」が四国、九州の標高1000m以上の地域に存在する可能性があることなど、雪質と標高との関係が明らかになった。また、「しもざらめ雪地域」を区分する条件は、メッシュ気候値間の関係から求めたものであっため、実際のアメダスなどの観測値で検証する必要があったが、検討の結果、実際の観測平年値間でも成立していることがわかった。その他、月平年値における積雪深、気温、降水量間の関係を調べ、温暖積雪地域「湿り雪地域」(1月平均気温>0.3℃)では、積雪深には気温と降水量で決まる上限があることなどを明らかにした。この関係から、北陸地域の多雪地域が気候変動に対して積雪深が敏感に反応する地域であることが理解できることを明らかにした。
|