「しもざらめ雪地域」について、気象官署における過去のしもざらめ雪発達年の割合を調べ、同地域の定義を定量的な観点から明確化した。また、温暖積雪地域「湿り雪地域」(1月平均気温>0.3℃)の積雪深における気温と降水量で決まる上限は、遷移的な段階をへてそれより寒い地域では成立しないことが明らかになり、雪質区分が積雪深、気温、降水量間の関係という量的な関係と関連を持つことが明らかになった。さらに、1990年と2000年二つの平年値の違いをもとに、近年の温暖傾向に対する積雪地域の応答について検討した。その結果、温暖多雪地域に顕著な積雪深の減少傾向があること、それは先の上限の関係の反映であり、その減少量は気温と降水量の変動量から推定可能であることなどを明らかにした。
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