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2006 年度 実績報告書

安定同位体比を指標とした水系生態系評価のための基準式の作成

研究課題

研究課題/領域番号 18510023
研究種目

基盤研究(C)

研究機関香川大学

研究代表者

山田 佳裕  香川大学, 農学部, 助教授 (30297460)

キーワード安定同位体比 / 環境分析 / 水質汚濁 / 生態系 / アセスメント
研究概要

本研究では水系生態系を統合的に,かつ簡便に捉える為に、安定同位体比を用いた評価法を提示することを目的としている。
本年度は吉野川を中心に研究を行なった。吉野川におけるTotal-N濃度は0.19〜1.20mg/lであった。集水域の大部分が森林である上〜中流域は0.19〜0.55mg/lで、平野の割合が多くなり、人口や農地が増える下流域においては、概ね下流にいくに従って0.58〜1.19mg/lと濃度が上昇した。Total-Nのδ^<15>N値は1.0〜8.9‰で変動した。上流域においては最上流で最も低く、1.0%‰を示し、下流にいくに従って高くなり、4.5‰まで上昇した。さらに、中流域では3.6〜5.9‰、下流域では値が最も高くなり、δ^<15>N値は4.2〜8.9‰になった。Total-N濃度とTotal-Nのδ^<15>N値の間には良い正の相関(r=0.80、pく0.001)が得られた。NO_3^--N濃度とNO_3^--Nのδ^<15>N値との間にも良い正の相関(r=0.89、p<0.001)が得らており、同様の結果となった。NO_3^--N濃度とNO_3^--Nδ^<15>N値は集水域の農地や人口が多くなるにつれ上昇することから、下流ほど農業排水や生活排水による窒素負荷の影響を受けていると考えられる。すなわち、Total-Nのδ^<15>N値の上昇は、集水域における人間活動による窒素負荷の直接的な影響や脱窒などの生物地球化学的プロセスを経由した間接的な影響を反映していると解釈できる。Total-N濃度とTotal-Nδ^<15>N値との良い相関は、δ^<15>Nが人間活動による窒素負荷の影響を反映する良い指標であることを示しているといえる。来年度は河川におけるδ^<15>N値の変動のメカニズムを究明するとともに、四万十川、宮川、淀川においても調査を行ない、人間活動とTotal-N濃度、Total-Nδ^<15>N値との関係について明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 讃岐山脈を源流とする吉田川の上流域における窒素の分布2007

    • 著者名/発表者名
      中島沙知, 山田佳裕, 多田邦尚
    • 雑誌名

      香川大学農学部学術報告 59

      ページ: 65-69

  • [雑誌論文] The characterization of the water quality of dam lake on Shikoku Island, Japan2007

    • 著者名/発表者名
      Nakashima, S., Yamada, Y., Tada,K
    • 雑誌名

      Limnology 8(in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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